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モリウミアスファームの挑戦:遂にぶどう植樹!新たなフェーズへ

【モリウミアスファームの歩み】

 モリウミウスファームの活動は、津波被害により町の約8割を失った宮城県石巻市雄勝町で、1輪の小さな花を植えた住民の活動がきっかけで始まりました。
小さな活動がやがて多くの関係人口を巻き込み、「津波被害の土地を花と緑で覆い、たくさんの人が集まる場所に」という願いを込め、石巻市により 「雄勝ガーデンパーク」というプロジェクトへと発展していきました。
その一環として、モリウミアスが官民連携しながら取り組んでいるのが自社農園ワイナリーの構築です。
 2023年春から約1年間かけて、約700名の方々と共に土づくりを実践してきました。無機質で粘土質な山土を、適切な土壌環境に整えて行く作業には時間と労力がかかりました。リジェネラティブな農業を目指して土壌改良を行い、2024年4月から「ぶどうの植樹」を行うフェーズへと到達しました。

【植樹の舞台裏】

 植樹は2024年4月6日にスタート。初日には石巻市長をはじめ、市の職員や住民、こども達も駆けつけ、4月末までに延べ220名が集まってくださいました。その多くはモリウミアスファームを全国から応援する「農園主」と呼ばれるサポーターの皆様です。
大雨の影響で土がぬかるんだり、乾いて硬くなった土に苦戦しながら4種類のぶどう苗木を約750本植えました。1週間毎に1品種づつ植えていき、5月中旬頃までにぶどう品種全7種類、計1300本を植樹する予定です。

 植樹では、ぶどう品種により適切な場所を考えて配置を決めています。例えば、「シャルドネ」や「ピノ・ノワール」は環境に左右されやすいため、日当たりがよく、風の影響を受けにくい場所へ。逆に「ピノ・グリ」は強い品種なので、他の品種ほど場所を選びません。このように、日当たり、風あたり、水はけの良さなどを考慮して苗木の配置を決めています。

 植樹の工程としては、①50cm✖️50cm の穴を掘る、②穴に堆肥と土を混ぜ戻して山を作る、③高さ約60センチの苗を植える、④土を盛る、という流れです。この一連の作業には、大人2人1組で取り組んでも1本あたり約30分はかかるような体力勝負です。

【参加者の声で知るファームの軌跡】

 こどもも大人も巻き込んで、終始和やかな雰囲気の中植樹を行いました。何より参加者の皆様が大変な作業も楽しんでくださり、この土地に活気を取り戻してくださる姿がファームとしては何事にも変え難い喜びでした。
 4月の週末に参加した方の中には、沢山のこども達の姿も。そのこども達からは、「毎年様子を見に来たい」「ぶどうを植える様子を見れて良かった」「勉強になった」。保護者からは、「ぶどうは長生き、樹孫の世代まで引き継がれる、それが嬉しい」震災後から雄勝に通う方からは、「10年ほど前に会社の研修で雄勝に来た。植樹を通してもっと親しみを持てた」という力強いお言葉を頂戴しました。
また、被災前に雄勝中学校に通っていた卒業生は、「ここが葡萄畑になるとは想像もしていなかった。今回参加してこの土地がずっと生きているんだと実感できて嬉しい」と言葉を残してくれたり。

 ファームとしては、この植樹で今までの取り組みがやっと形になってきたこと、スタートラインに立てたことが感慨深く、今までもこれからも一緒に歩んでくださる皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。

〜モリウミアスファームのこれから〜

 ぶどうの苗が順調に育てば2029年夏から秋にかけて、ぶどうを収穫していきます。また、隣接地にワインの醸造やジュース製造、海産物などの加工施設を並行して整備し、30年頃にはワイン出荷を目指します。
 今回の植樹でも個人・法人として全国からたくさんの方が参加してくださり、集まる応援のパワーに後押しされてここまで歩んできました。私たちが目指す全体の取り組みとしては、まだ2割ほどの進歩ですが、この植樹が新たなフェーズへ上がる大きな一歩です。今後もファームの活動を通して少しでも多くの人に地域への関心を持ってもらい、関係人口を増やしながら生物多様性溢れる「こどもの学びと町の未来」を創り出していきます。

引き続き、モリウミアスファームをよろしくお願いいたします。

公式ストア「MORIUMIUS at home」では、ぶどうの皮に付着した野生酵母のみで発酵させた国産ワインを販売しております。
山形の契約農家さんのぶどうを収穫から行い、醸造は宮城県川崎町のアルフィオーレさんにて行っています。色合いや味わいも優しく、食卓を温かく包み込んでくれるようなワインです。

ワインのご購入はこちら: https://moriumiuslearning.com/?category_id=62d34abd0f683c10bf426cc4